兵庫中央岳風会研修会
令和4年11月23日
令和2年1月新型コロナは日本で初感染が確認されて以降7波の感染拡大期を経てきたが、現在も各地で感染拡大が見られ「第8波」に入ったのではないかと懸念されている。そのような中ではあるが、兵庫中央岳風会研修部による研修会が11月23日午後1時15分より兵庫県中央労働センターに於いて開催され、申込者ベースで121名が受講した。今回は本年10月兵庫中央岳風会と新神戸岳風会の統合後の第1回目の研修会で講師は元新神戸岳風会の大木岳扇先生が務められた。大木先生は平成9年度「兵庫県吟詠連盟主催吟詠大会第一部(一般の部)」の吟士権者となられ、平成29年全国俳諧歌大会に於いても優勝されるなど、数々の大会で入選や優勝に輝いておられる。はじめに今回の課題詩の作者である一茶の生涯の紹介や俳諧歌の説明がされ、優勝の吟が披露された。
俳諧歌 「乞食」 一茶 作
桜さく 木の下かげに 乞食して
袋にあまる 花の雪哉 袋にあまる 花の雪哉
第一講座は令和四年~七年度資格審査課題詩より俳諧歌2題が選ばれ講義がなされた。俳諧歌の練習は30回読む。読む時は「言葉のまろさ」「速さ」「深さ」に気を付けて読み、あと20回はそのリズムで読み、読みを自分のものとして、吟ずる時は声帯を広げて歌うと良いとされた。1題目「人の道」、2題目「散花の」の作者、一茶のあたたかい家庭への憧れや社会の底辺に生きる人々の姿を歌った情景が語られた。一息毎、続いて通しでの繰り返し実技指導後、男子2名女子2名の個人指導が行われ、休憩となった。
第二講座はアクセントについて。課題詩2題「春夜洛城に笛を聞く」と「九段の桜」を教材に、詩文の読み方と頭高、平板とアクセントについてのご指導があり大木先生の素晴らしい吟に続いて丁寧な一息ずつのご指導と合吟がなされた。講義の途中で雷が鳴り響くという一幕もあったが、動ぜず熱心な講義が続いた。女性4名の個人指導の登壇者には高段の方も居られたが、余韻の引き方や強弱緩急の声の出し方等を、会場の人達にも分かり易くご指導がなされた。
予定の時間に講義は終了し閉会の辞の後、旧新神戸岳風会会長留松岳涌先生の音頭による万歳三唱が行われた。帰途についた時は、朝からの雨もようやく止み加減であった。
(広報部)