ポストコロナ 兵庫県吟詠フェスティバル

 令和4年9月4日

 晴天の9月4日(日)午後、表題の吟詠フェスティバルが兵庫県舞台芸術団体フェスティバル参加事業として兵庫県立芸術文化センター(阪急中ホール)において開催された。道中が30度を超える熱暑にも関わらず、会場は開演時刻の午後2時30分より随分早くから兵庫県吟詠連盟の会員を主とする吟詠愛好家で埋め尽くされた。
 フェスティバルの演目は「頼山陽の生涯」と題した構成吟で、母静子が山陽の生誕(安永9年、1780年)から53年の生涯を終える(天保3年、1832年)迄の足跡を懐かしく語る形で進められた。出演者は兵庫県の歴代二部吟士権者および吟詠連盟幹部の有志と「令和3年度ふれあいの祭典合吟競吟の部」での男女優勝及び準優勝した4団体で、兵庫中央岳風会からは連吟に菅岳梢先生、合吟には岳風会兵庫県連合会男子のメンバーとして松浦慶岳先生はじめ8名が出演した。
 構成吟は大坂江戸堀に生まれ広島へ移り住んだ山陽が、病弱ながら10才で「論語」を卒業し、12才の時には「易経」を修了するなど秀才ぶりを発揮した事、又14才で漢詩「述懐」を作詞して世間を驚かせた事などが語られ進行して行く。江戸に出て「昌平黌」に学び、帰郷後脱藩して監禁生活を余儀なくされた山陽は、これが解けて九州を遊歴。その後幾度か母静子を伴って京や鳥羽、伊勢への旅に出て、私達に馴染みの深い「母を奉じて嵐山に遊ぶ」や「冑山の歌」などの詩を作っている。構成吟の終盤では、後に尊王攘夷運動に影響を及ぼしたと言われる歴史書「日本外史」を編纂した事が語られ、最後は母を想って作られた「母を送る路上の短歌」を菅岳梢先生と山岡桜山先生の連吟で締められた。なお、連吟の終盤になって構成吟に出演された吟士権者と連盟幹部が再登場されてフィナーレとなった。

(広報部)

2022年09月04日